お茶を入れて戻って来たAが無表情でじっとこっちを見ている。「その子、元野良で、家族全員、まだ警戒されてるんだよね」と、抑揚のない声で言われた。お茶を置いたAは私の隣に来て、膝の上の猫を撫でた。「この子撫でたの、今が初めてなんだよね」